デッドリフトとスクワットって鍛える部位が似ていて、違いが気になったり順番をどうするか悩む方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事ではデッドリフトとスクワットの違いや効果のある部位、メニュー上の順番と言ったポイントに触れていきます。
ぜひ最後までお読み頂き、効率的なメニュー作成に役立てて下さいね!
サマリー
デッドリフトとスクワットは効果のある部分がかぶる?
デッドリフトとスクワットですが、効果のある部分がかぶるかどうかで言うと「被っている部分もかなりある」と言えるでしょう。
デッドリフトとスクワットの効果のある主な部位を表でまとめてみました。
デッドリフト | スクワット | |
肩・背中(僧帽筋) | △(補助的な効果) | |
背中(広背筋) | △(補助的な効果) | |
背中(脊柱起立筋群) | ○(主な効果) | △(補助的な効果) |
お腹(腹筋群) | △(補助的な効果) | △(補助的な効果) |
お尻(大殿筋) | ○(主な効果) | ○(主な効果) |
太もも(大腿四頭筋) | ○(主な効果) | ○(主な効果) |
太もも(ハムストリングス) | ○(主な効果) | ○(主な効果) |
ふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋) | ○(主な効果) |
※あくまでも基本的な形で行った場合です。スタンスを変えたり別要素を加えれば効果部位も変わります。
バーベルを使った場合で、基本的なデッドリフトとスクワットを行った場合の主に効果がある部分と補助的な効果がある部分を整理してみました。
こうして見てみると、デッドリフトの方が少しだけ体の上部まで鍛えられる感じで、スクワットは体の下の方まで鍛えられる感じ…くらいの違いは見てとれますが、大筋では効果のある部位がかなり被ってしまうのは事実ですね。
特にお尻と太ももについては、デッドリフトでもスクワットでも一番中心的に鍛えられる部分ですが、まる被りです。
基本的にデッドリフトとスクワットは効果部位が被るという事は間違っていないようです。
ただし後述しますが、デッドリフトの方が身体の背中側の筋肉への負担(効果)が大きく、スクワットの方が身体の前側への負担(効果)が大きいという違いはありますが。
デッドリフトとスクワットの違いについて。
効果部位のかなり部分が共通であると言ってもデッドリフトとスクワットは別の種目ですから、違いも沢山あります。
その違いをしっかりと認識してデッドリフトとスクワットを使い分けるのがポイントとなってきます。
ここではデッドリフトとスクワットがそれぞれ違う部分について述べていきます。
プルかプッシュか
デッドリフトとスクワットの違いでまず挙げられるのがプル系の種目かプッシュ系の種目か、という事ですね。
プルというのは英語で「pull」と書き、引っ張るという意味です。
プッシュというのが英語で「push」と書き、押すという意味。
デッドリフトはバーベルを床から引っ張り上げる種目なのでプル系。
スクワットは逆に肩に担いだバーベルを脚を使って押し上げる種目なのでプッシュ系となります。
「押すか引くかの違いだけで、重量を動かすのは結局同じでしょ?」と思う方もいるかも知れませんが、筋肉への刺激の入り方がプッシュ系とプル系では違います。
またスクワットは床を脚でプッシュするので、大腿四頭筋など体の表側をよく使いますが、デッドリフトは背中やハムストリングスでバーベルをプルしますので後ろ側の筋肉をよく使うと言えます。
同じ筋肉を鍛える場合でもプッシュ系とプル系を上手くおり混ぜる事で、筋トレの効果がより早く出るという事が言えるのです。
効果のある部位
前章でも触れましたが、デッドリフトとスクワットでは効果のある部位が被る部分も大きいですが、被らない部分も当然あります。
僧帽筋や広背筋などはデッドリフトは効果が補助的なものながらあると言えますが、スクワットではあまり効果は望めないでしょう。
一方でスクワットではふくらはぎのヒラメ筋と腓腹筋も鍛えられますが、デッドリフトではあまり効果は望めないでしょう。
このような部分の疲労具合から、デッドリフトとスクワットを使い分けてもいいかも知れませんね。
注意すべき細かいポイント
その他、スクワットとデッドリフトを実践するにあたって、細かな違いを箇条書きでまとめておきますね。
- デッドリフトの場合、握力が弱いと重い重量を扱いにくいが、スクワットはデッドリフトほど握力は関係してこない。
- デッドリフトもスクワットも腰を痛めるリスクがあるが、デッドリフトの方がそのリスクが大きい。
- デッドリフトはスタンスによってはバーベルをいきなり降ろすと、自分の足をつぶしてしまう人がいるので注意が必要。
- スクワットは重量が重すぎるとつぶれてしまうので注意が必要だが、デッドリフトは限界を超えてもバーベルに潰されてしまうという事は無い。
- デッドリフトは床を傷つける可能性があるので、床からのデッドリフトはジムによっては禁止されているが、スクワットはそのような事はない。
- スクワットはパワーラックやスミスマシンが無いとやりにくいが、デッドリフトはバーベルさえあれば出来る。
- スクワットよりもデッドリフトの方が重い重量を扱いやすい。
デッドリフトとスクワットを行う順番は?
仮にデッドリフトとスクワットを同じ日に行うとしたら、どちらを先にすべきでしょうか?
これはここまで述べてきたように、効果のある部位が多少違いますのでより自分の目的に合っている方を先に行うべきです。
先に行う種目の方がエネルギーを消費していない状態で望めますから、より正しいフォームで精力的に鍛える事が出来ます。
ただし、そういう条件なしで考えると、スクワットよりもデッドリフトを先に行うべきです。
デッドリフトでエネルギーを消耗した状態でスクワットを行うと、最悪の場合バーベルに潰されてしまい大けがをしてしまう可能性もあるからです。
一方でスクワットを先に行ってたとえ疲れ果てていたとしても、デッドリフトは「あ。ヤバい」と思ったらバーベルを手放せばいいだけなので、気楽ですから。
(ちなみにバーベルを手放す行為も危険ですし、床を傷つけるので極力止めておきましょう)
補足ですが、下記動画ではスクワットで万が一つぶれてしまった場合の対処法を説明しています。
テキストで説明するよりも動画の方が理解しやすいので、こちらでも紹介しておきます。
が、スクワットでつぶれる事を前提とするのではなく、スクワットでつぶれない為の計画的なメニューを組みましょう。
その為にもスクワットの前にデッドリフトは行うべきではありません。
デッドリフトとスクワットは同じ日に行うべき?
そもそも論ではありますが、スクワットとデッドリフトを同じ日に行うべきでしょうか?
こちらについては少なくともビギナーから中級者であれば、デッドリフトとスクワットを同じ日に行うべきではないでしょう。
それは前述したように効果のある部位がかなり被るから。
そして、エネルギーの消費が大きいので、その日の他のメニューにも影響が出てしまうからです。
例えば週2回、全身をまんべんなく鍛えていきたいという比較的ビギナー層の場合、ベンチプレスとデッドリフトをまず行います。
そして、そこからスクワットを行うのではなく、ベンチプレスとデッドリフトではカバーできない筋肉をマシンなどを使って鍛えるのがおススメです。
デッドリフトだけでは下半身の刺激が足りないのでレッグプレスを行う。
ベンチプレスだけでは上半身背中側の刺激が弱いのでラットマシンやベントオーバーローイング、チンニングを行う。
という風に、デッドリフトとスクワットを同じ日に行うのではなく、どちらか片方を採用し、足りない部分を別の種目で補うというのがおススメですよ!
この記事のポイントまとめ。
デッドリフトとスクワットの違いや効果のある部位、行う順番などについて述べてきました。
デッドリフトとスクワットの効果のある部位はかなり被っている部分が大きいです。
もちろん違う種目ではありますから、異なる部位もあるのですが被っている部分が多いのは事実です。
デッドリフトとスクワットと違いは、効果のある部位が多少違うのと「プル系かプッシュ系か」という事や実践していく上での細かい注意ポイントなどが挙げられます。
デッドリフトとスクワットは基本的には同じ日に行うべきではないかも知れません。
もちろんトレーニング初心者か上級者かで全く違いますし、目的によっても違います。
しかし、基本的にはデッドリフトとスクワットは効果のある部位が大きいので、無理して同日に行うのではなく、片方の種目ではカバーしきれない部分をマシントレーニングやダンベル種目で補うという考え方が良いでしょう。
デッドリフトもスクワットもとてもキツイ種目でついつい敬遠したくなってしまいます。
しかし、効果が非常に高くやらないともったいないと言えます。
両方でなくても構いませんので、デッドリフトとスクワットのどちらか片方をメニューに取り入れてみるべきでしょう。